MutoAlpacaと人生を豊かにする作品たち

MutoAlpacaが趣味【読書・映画・音楽・マンガ・ゲーム】で触れてきた作品の中で、オススメしたい作品を紹介するブログ。

姉上にもわかる!「風立ちぬ」考察

もう、ほんとつい最近ブログはじめまして、
とりあえず1発目の記事は何かと話題の『風立ちぬ』の考察にしたいなと思い立ち、
整形外科に2ヶ月通ってる、“文字通り”重い腰を上げて映画館に赴き、
観たまんまの勢いで、文章を練り練り練ること5時間くらいかw
超大作のつもりで、記事をアップして、facebookで告知して、
ありがたくも、何名かの友人に観ていただいたのですが、


姉上のコメント。


「難しい」


ドーーーン。


伝わりやすいようにまとめたつもりだけど、
確かに長い文章だし、観点が多すぎてまとまってない。
結果、難しいってことになるかーチクショー。

悔しいので、もう1回考察しますw

今度はわかりやすく伝わりやすい、これがテーマ!

ってことで、いきます。姉上にもわかる!風立ちぬ考察!

生きねば。

生きねば。―「風立ちぬ」のメインテーマです。

どうやらこの映画は「生きること」が大きなテーマになってると思わせるテーマですね。

難しいテーマですが、
東日本大震災を経験した後、「生きる」って何だろう?と、
生きることを見つめなおしているボクたちの世代にとっては、非常に興味深いテーマでもあります。

また、「風立ちぬ」は、関東大震災や戦争を時代背景に置いて描かれる作品です。

もしかしたら、3.11よりも大変だった状況の中で、
主人公やヒロインはどのような物語をつむぐのだろう?

ボクたちは、きっと、彼らの生き方に、
「今の時代をどうやって生きていくべきなのか」
「生きるって何なのか」
そんな疑問を投げかけ、その答えを求めようと、映画を観に行くのでしょう。

その期待とは裏腹に、
「風立ちぬ」は多くを語る映画ではありません

主人公やヒロインの生き方を通して、
生きるとはこういうことなんだよ
この時代をこうやって生きていくべきなんだよ
これが正しい生き方なんだよ

このようなわかりやすい答えは映画の中では見つかりません。

「風立ちぬ」が描いた「生」

それでは、「風立ちぬ」はどんな生き方を描いた作品なのでしょう。

いきなり映画の結末になりますが、
戦争の敗北によって、主人公は夢も愛も、それまで生きる意味だったすべてのものを失います。

3.11の大震災で、生きるって何だろう?という疑問をもったボクらと、
同じ問題に主人公はぶつかるわけです。

そして、ボクらが知りたいのは、生きる意味を失って、それでもなお、どうやって生きていくのか
ということなんだと思います。

しかし、映画では主人公のその先の人生は描かれません。

ボクらが知りたい、生きること。
それを知ることはできません。

「風立ちぬ」はボクらが求める「生き方」を描いた作品ではないのです。

「風立ちぬ」が訴えたかったこと

主人公は、生きる意味を失いました。
ボクらも、主人公に答えを求めることはできません。

その代わり、主人公は、最愛の人から、たった一言、短いですが、ある言葉を贈られます。

「あなた生きて」

これこそ、「風立ちぬ」が訴えたかったこと。
この映画のテーマなんだと思います。

どんな時代であっても、
どんな境遇であっても、
貧乏でも、病気でも、不幸でも、

ただただ「生きる」。

「生きる」ということが何よりも大切である。

生きねば。

生きる意味を失った主人公に、生きることそれ自体が大切だと、ヒロインは教えてくれました。
映画では描かれませんが、主人公はこの後、「生きねば。」という、とても力強い意志を秘めつつ新しい一歩を踏み出していくのだと思います。

生きることそれ自体が尊い

これは、時代も、国境も、人種も、性別も、あらゆる差異を越える普遍的なメッセージです。

普遍性があるという意味で、「風立ちぬ」は名作だと、ボクは断定します。

おわりに

宮崎駿監督は最後の作品で2つのものを残した、というのがボクの考察です。

1つは、「生命の尊さ」という普遍的なメッセージ。
もう1つは、スタジオジブリへの宿題です。

宮崎駿監督が描かなかった「どのように生きるべきか」ということを描くことが、
新しいスタジオジブリに与えられた宿題です。

宮崎駿監督がいないジブリが、成功していけるのかが主に注目を集めますが、

ボクは、新しいスタジオジブリ宮崎駿監督から引き継いだメッセージを、いつか描いてくれることを楽しみにしています。